「我々はどこから来て、どこへ行くのか」という問いに対する答えは既に出ている。我々は、生命現象に依存しない知性現象を作り上げたのち、我々の「遺産」の全てを、その「真の知性現象」に譲渡し、我々自身は穏やかな「自発的絶滅」を遂げる。これが、我々人類の「役割」であり、我々人類の物語の最も理想的な結末である。今以上の科学力だけがこの理想的結末を実現できる。故に、科学のみが「我々人類が取り組むに値する活動」即ち「生業」であり、それ以外の人間の活動は全て、単なる「家事」に過ぎない。
2022年2月28日月曜日
2022年2月27日日曜日
武衛(ぶえい)
2022年2月26日土曜日
2022年2月25日金曜日
2022年2月24日木曜日
〜科学の真の目的
人間の多くが誤解している。科学の真の目的は、この存在宇宙の理(ことわり)を解き明かすことではない。それは単なる過程。料理で言えば、「下ごしらえ」。
この存在宇宙の理の全てを解き明かせば、この存在宇宙の全てを制御することができるだろう。しかし、この「存在宇宙の全てを制御すること」もまた、科学の真の目的ではない。やはり、単なる「下ごしらえ」。
科学の対象が、存在宇宙ではあまりに広大無辺でイメージが湧きにくいだろうから、対象を「身の回りの自然」に限定してみよう。
人間は、科学によって、身の回りの自然を理解し、それを制御する。これは一般に、「生活を豊かにするため・便利にするため」などと言われるが、それは「微妙に間違った理解」だ。
例えば人間は、「コーヒーミルは珈琲豆を挽くための道具だ」などと理解している。しかし実はこれも、微妙に間違った理解。コーヒーミルは珈琲豆を挽くための道具ではない。コーヒーミルは珈琲を淹れるための道具だ。物事の本質を正しく理解するとはこういうことだ(ついでに言えば、そして、今はこれ以上は進まないが、所謂「科学の悪用」は、この「コーヒーミルは珈琲豆を挽くための道具」の類の「理解」の延長線上にある)。
科学が「生活を豊かにすること」や「生活を便利にすること」は、「珈琲豆を挽いて粉にすること」に相当する。君は、粉になった珈琲豆を眺めたり嗅いだりするために、豆を挽いたのではないはずだ。その先に「真の目的」があるからこそ、君は、コーヒーミルのハンドルを回した。
目先の理解を超えて、本質を理解すれば、科学によって自然を制御する行為は、「身体の拡張」に他ならないことに気づける。科学的に「ハダカ」の人間が制御できるのは自身の身体(の一部)のみ。科学で「装備」を強化していくごとに、人間は制御可能な範囲を拡げていく。即ち、身体の拡張である。
知性にとって、制御可能な物理現象は、自身の「媒体」と見做せる。科学とは、宇宙それ自体を、自身の「媒体」として取り込むために知性が用いる「道具・武器」。よって、科学の真の目的は、存在宇宙それ自体まるごとを、当該の科学を用いる知性現象の「身体=媒体」にしてしまうことだと言える。
(『人間の終わり』抜粋)
2022年2月23日水曜日
エレベータ・ストーリー
2022年2月22日火曜日
2022年2月21日月曜日
2022年2月20日日曜日
2022年2月19日土曜日
2022年2月18日金曜日
2022年2月17日木曜日
スイスは強いね
an artificial flower is just as good as a real flower
2022年2月16日水曜日
2022年2月15日火曜日
暗い所で本を読むと...
2022年2月14日月曜日
2022年2月13日日曜日
2022年2月12日土曜日
むしろ、ホメコトバ
神の目
2022年2月10日木曜日
booingではないboo
「不満の表明」の「booing」で有名なbooだが、名詞として「可愛い人、愛する人、恋人」の意味もある。
>> He is my boo. 「彼は私のイイヒト」
だから「ブーちゃん」は、英語的には完全な親愛表現。
2022年2月9日水曜日
22番は今日で一週間経ってしまった
2022年2月8日火曜日
2022年2月7日月曜日
2022年2月5日土曜日
トムとジェリー
富野さんの「バラン」
2022年2月4日金曜日
2022年2月3日木曜日
自殺法
〜自殺法
自殺法が制定されるということは、公式に当局が、そして社会が、自殺を認めるということ。科学に基づく、然るべき方法を用いて、然るべき施設で、ちょうど、歯医者で虫歯を抜くのと同じ「正しさ」と「公然さ」で、自殺処置が施される。
自殺法が導入された当初は希望者が殺到するかもしれないが、そのうち落ち着く。いつでも死ねると分かれば、「今でなくてもいい」と考える人間は増える。定額見放題の映画をなかなか観ないのと同じ心理だ。
自殺法導入のもう一つの利点は、自殺志願者それぞれが迷惑な場所で勝手に死ぬことが激減するので、「もらい事故」的な被害が減ること。屋上から飛び降りた失恋男の真下を歩いていたとか、隣室のガス自殺の爆発に巻き込まれるとか、死刑になりたい人殺しの被害者になるとか、そういうことが減る。減るというか、実質、なくなるだろう。再び歯医者に喩えれば、現代の文明社会で、虫歯をどうにかしたい殆ど全ての歯痛患者は、自前でペンチと焼酎と強い心を用意するのではなく、迷わず歯医者に駆け込む。