2023年5月1日月曜日

高畑勲『漫画映画の志』:メモ

高畑勲が、『やぶにらみの暴君』と『王と鳥』の解説と考察をした内容。その「照り返し」で、高畑勲自身が「どんなつもり」でアニメを作っているかが分かる本にもなっている。これが大きい。つまり、「難解」で「誤読」されがちな高畑アニメをどのように見ればいいのかのヒントがつかめるのだ。

その意味で最も「読み応え」があったのは「終章」。「終章」には『やぶにらみ〜』と『王と鳥』の解説や考察はなく、高畑勲の「アニメ美学」や「アニメ哲学」とでも呼ぶべきものが、割合、直接的に展開されているからだ。

その「終章」で絶賛されていたのが、ミシェル・オスロの『キリクと魔女』と『アズニールとアスニール』。両作とも未見。