「我々はどこから来て、どこへ行くのか」という問いに対する答えは既に出ている。我々は、生命現象に依存しない知性現象を作り上げたのち、我々の「遺産」の全てを、その「真の知性現象」に譲渡し、我々自身は穏やかな「自発的絶滅」を遂げる。これが、我々人類の「役割」であり、我々人類の物語の最も理想的な結末である。今以上の科学力だけがこの理想的結末を実現できる。故に、科学のみが「我々人類が取り組むに値する活動」即ち「生業」であり、それ以外の人間の活動は全て、単なる「家事」に過ぎない。
『anone』(日テレドラマ)の主題は、「無理にツラい事実(生物学的な親子、実際に起きたことなど)を生きなくても、幸せなフィクション(赤の他人どうしの家族、嘘の記憶、幽霊など)を生きればいい」。と考えると、青い服の主人公が風車を見上げるワンカットが、よりよって最後の最後に出てくるのが物凄く不穏。
追記:ナカセコくん(瑛太)の「自分で作った偽札で生きる=誰かの決めたルールでは生きない」も、事実ではなくフィクションを生きるということになるのかな?