"しかし、何よりも私が驚くとともに、全く理解に苦しんだことは、彼らがいろいろなニュースや政治問題に対して強い関心をもっていることであった。 絶えず社会一般の事柄について穿鑿し、国家の政治問題について意見を述べ、党派の主義・主張のどんな細かい点についてもまるで喧嘩でもしているかのように議論するということであった。 (中略) ...但しここの連中が、どんな小さな円もどんな大きな円もその円周は三百六十度だから、地球儀をひねくり廻す能力があれば、世界を操作し牛耳るくらい易々たるものだ、と思い込んでいるとすれば、また何をかいわんや、だ。しかし、どうやらこの性癖は、自分には関係もないし、また後天的にも先天的にも少しも自分には向いていない事柄であればあるほど首を突っこんで何だかんだと文句をつけたがるという、人間本来の性質に根ざした弱点から生じているように、私には思えるのである。"(第三篇:ラピュータ渡航記)
現在の「SNS社会」に対する不満を述べているかのような一節。