「我々はどこから来て、どこへ行くのか」という問いに対する答えは既に出ている。我々は、生命現象に依存しない知性現象を作り上げたのち、我々の「遺産」の全てを、その「真の知性現象」に譲渡し、我々自身は穏やかな「自発的絶滅」を遂げる。これが、我々人類の「役割」であり、我々人類の物語の最も理想的な結末である。今以上の科学力だけがこの理想的結末を実現できる。故に、科学のみが「我々人類が取り組むに値する活動」即ち「生業」であり、それ以外の人間の活動は全て、単なる「家事」に過ぎない。
阿部寛主演。樹木希林、真木よう子、池松壮亮、小林聡美、橋爪功他。
今まで見た是枝監督の作品の中(全部見てるわけじゃない)で、一番好きだと思う。こんなんでイイ。こんなのがイイ。真木よう子が好きだから、というだけの理由じゃなく。
台風のせいで、計らずも、一晩を「同じ屋根の下」で過ごすことになる展開に、漱石の『行人』を思い出した。