のちに、『料理の鉄人』とか『美味しんぼ』とかを素知らぬ顔で面白がっていましたが、根底にあったのは常に、少年期に決定的な衝撃を受けた『今夜はごちそうさま』(カセットテープ)でした。伊武雅刀(というか畠山桃内)が「沈丁花のハタが…」とセリフを噛む所まできっちり覚えてしまったほど、聞き倒しましたからねえ。
そうそう。この動画ではカットされているけど、エンドロールに出てくる曲のリストに、Nina Hagen(映像の世紀バタフライエフェクトですっかり有名な〔アンゲラ・メルケルさんの心の歌手〕)とか、YMOの「体操」とか、Bowieの「Ashes to Ashes」があって、さすが桑原茂一と。
あと、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が流れる悲しげなエンドロールの最後に出てくる、似非科学の精神「治療」で廃人にされた(ような)三人が映った白黒写真がすごくイイ。「当局に、拘束されて、放り込まれて、今はもうこんな感じで、すっかり無害になりましたよ」感。イイ。