演技(芝居?)で一番感心したのは、堺雅人に「テントの最終目的地は日本なのか」と訊かれた役所広司が「昔は恨みに思っていたけど、今はもうどうでもいい」的なことを言って、それを否定するところ。
つまり、本心をズバリと言い当てられた人間が、「いやそんなことないですよ。それは違うます」と、嘘をついて否定するときの、「嘘がつききれてない感じ」「なんとかしてはぐらかそうとしているのが透けて見える感じ」「本当のことを言われて心穏やかでないけれど、できるだけ平気な顔をして、相手が勘違いしているだけだと思わそうとして、しかし、挙動が微妙におかしくなる感じ」が、見事に表現されていて、凄いと思った。
が、その「凄い」が本当なのか、単なるこちらの「勘違い」なのかは、最終回を見るまで確かめようがななかった。これもまた、橋爪功(が演じたキャラ)が登場によって、「勘違い」ではないことが分かった。やはり、凄かったのだ。ただし、この場合は、橋爪功じゃなくて、役所広司が凄かったんだけどね。