2022年12月12日月曜日

岡田斗司夫を悩ませた「無意味」な三択

今日(2022年12月11日)配信の「サイコパスの人生相談」で、岡田斗司夫が「なんで、こんな分かりきった三択の質問をしてきたのか?」と頭を悩ませた。

答えは簡単で、質問者は「彼の子供を生むことが第一義ではない」からだ。

選択肢はこんな感じ(正確に知りたければ配信動画を観てね)
①彼に、アナタの子供を生みたいと打ち明ける。
②現状を維持しつつ、他の男も探しておく。
③コンドームに穴を開けて、強行突破的に彼の子供を生む。

質問者が「彼の子供」を生みたいだけ(=相談内容に対する岡田斗司夫の「理解」)なら、実は、選択肢①と選択肢③を分ける理由がない。輒ち、「(選択肢①)彼に、アナタの子供が生みたいと打ち明け、拒絶されたら、諦めたふりをして、(選択肢③)コンドームに穴を開けて、強行突破をする」という形で、2つの選択肢を統合して構わないからだ。しかし、実際には、選択肢①と選択肢③が別々に存在している。その理由は、選択肢①には、「子供を生むことを彼に拒絶されたら、質問者は、彼の子供を生むことを諦める」という、質問者の「意図・心づもり」が存在するからだ。

そうなると、選択肢③の意味合いも変わってくる。単に「彼の子供を生む」だけの目的で、質問者は「コンドームに穴を開ける」のではない。コンドームに穴を開け、妊娠した(子供が出来た)という既成事実を切り札として、彼に、質問者が生んだ〔彼の子供〕の存在を「受け入れさせたい」のだ。ここでいう「受け入れさせたい」は、法律的に認知させたいとか、生まれた子供のために結婚してもらいたいという意味ではない。もっとも一般的な意味で、ただ「認めて・承認して」もらいたいだけ。質問者が生んだ子供が、彼の子供であることを、彼がアタリマエとして認めている世界(関係性)を作り出し、結婚制度とかそういうものとは無関係に、ただ、その子供の父親であることを、彼が「フツウ」に受け入れ、質問者とその子供に対しても「フツウ」に振る舞ってほしいのだ。

だから質問者の目的の第一義は、「質問者が生んだ〔彼の子供〕を、彼が自分の子供として認めている状態を実現したい」ということ。この第一義が実現されないなら、彼の子供を生んでも仕方ないし、生むつもりはないのだ。

選択肢①を選んだ場合、彼の子供を生めるかどうかの確率が半々で、それがギャンブルになるのだが、選択肢③を選んだ場合は、子供は「確実」に生めるが、その後の彼の「出方・反応」が読めないので、そこがギャンブルになる。こちらの場合は、彼の子供を妊娠した(生んだ)質問者と、彼との関係性が賭けの対象になる。つまり、第一義に触れるのだ。それが質問者の悩みで、結果、「サイコパスの人生相談」となる。

さっき、質問者が単に彼の子供が生みたいだけなら、選択肢①と選択肢③は統合できると書いたが、「質問者と彼の関係性を過度にこじらせないままで、彼の子供が生みたい」のなら、選択肢③は、選択肢①を実行する際の「武器・脅迫ネタ・保険」を手に入れる手段になる。輒ち、選択肢③を実行し「無事」に懐妊したあとで、素知らぬ顔で選択肢①を実行するのだ。この時、彼が「質問者が子供を生むこと」を承諾すれば、質問者は、選択肢③が実行されたことを、彼に明かす必要はない(妊娠期間等で疑われたらバラすしかないかもしれないけど)。逆に、彼が「質問者が子供を生むこと」を拒絶したら、「武器・脅迫ネタ・保険」として、「すでに妊娠していること」を告げれば、彼からの承諾を得る確率は高まる(もちろんコンドームに故意に穴を開けたことは内緒)。しかし、彼が断固として、子供を生むことを拒絶し続けたら、もう、ぐちゃぐちゃ。うっかりしたら、両方の家族、両方の職場を巻き込んだ「醜聞」にまで発展しかねない。あるいは、質問者は誰も知らない町で密かにその子供を生み落すことにも成りかねない。質問者はそれを〔恐れて・忌避して〕いるのだ。いずれにせよ、「強硬手段」としての選択肢③は、質問者が彼の子供を生むための強硬手段ではなく、質問者が彼の子供を生んだことを、彼に認めさせる(法的な認知ではなく普通の意味で認めさせる)ための強硬手段なのだ。

だから、質問者の相談内容は、正しく(?)は「三面記事めいたゴタゴタに巻き込まれずに、比較的平穏無事に彼の子供を生む方法はありませんか?」となる。

と、そんなことをつらつらと思ったり思わなかったり。