*変な喩えだが、ここにリアルな戦場を描いたベトナム戦争映画がある。相談者は、ベトナム帰還兵にそんな映画を見せることは「残酷」だと言っている。岡田斗司夫は、戦争を知らない世代が戦争の悲惨さを追体験するためには、「残酷」なベトナム戦争映画は観た方がいいに決まっていると言っている。この類のスレ違い。*『トイ・ストーリー』よりも前に、自身の体験として、〔お気に入りのおもちゃと別れる辛さ〕を体験している子供の〔『トイ・ストーリー』の鑑賞体験〕と、『トイ・ストーリー』を観て初めて、今までに捨ててきた(捨てられてきた)おもちゃの「辛さ」に気付くような「低感度の共感力」しか持っていない子供の〔『トイ・ストーリー』の鑑賞体験〕は、〈質的〉に違う。それはちょうど、子供を持つ親と、子供を持たない者とでは、子供が小児がんで死ぬ映画の鑑賞体験が、質的に違うのと同じこと。
「我々はどこから来て、どこへ行くのか」という問いに対する答えは既に出ている。我々は、生命現象に依存しない知性現象を作り上げたのち、我々の「遺産」の全てを、その「真の知性現象」に譲渡し、我々自身は穏やかな「自発的絶滅」を遂げる。これが、我々人類の「役割」であり、我々人類の物語の最も理想的な結末である。今以上の科学力だけがこの理想的結末を実現できる。故に、科学のみが「我々人類が取り組むに値する活動」即ち「生業」であり、それ以外の人間の活動は全て、単なる「家事」に過ぎない。
2023年6月30日金曜日
『トイ・ストーリー』の残酷さ
2023年6月29日木曜日
今夜はごちそうさま
のちに、『料理の鉄人』とか『美味しんぼ』とかを素知らぬ顔で面白がっていましたが、根底にあったのは常に、少年期に決定的な衝撃を受けた『今夜はごちそうさま』(カセットテープ)でした。伊武雅刀(というか畠山桃内)が「沈丁花のハタが…」とセリフを噛む所まできっちり覚えてしまったほど、聞き倒しましたからねえ。
そうそう。この動画ではカットされているけど、エンドロールに出てくる曲のリストに、Nina Hagen(映像の世紀バタフライエフェクトですっかり有名な〔アンゲラ・メルケルさんの心の歌手〕)とか、YMOの「体操」とか、Bowieの「Ashes to Ashes」があって、さすが桑原茂一と。
あと、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が流れる悲しげなエンドロールの最後に出てくる、似非科学の精神「治療」で廃人にされた(ような)三人が映った白黒写真がすごくイイ。「当局に、拘束されて、放り込まれて、今はもうこんな感じで、すっかり無害になりましたよ」感。イイ。
2023年6月27日火曜日
2023年6月25日日曜日
『その日、カレーライスができるまで』:メモ
Prime Video/主演のリリー・フランキーを堪能する映画。というか、リリー・フランキーしか出てこないし。嫁さんに逃げられたおっさんが、妻の誕生日に毎年作っていたカレーライスを今年も作る。心臓病で幼くして死んだ子供。同じ病気で死にかけている、同じくらいの子供のために、勝手に募金活動をしている。ラジオ番組「いい加減イブニング」の、夫婦二人揃ってのヘビーリスナー。ちょっと心霊。たまたまだけど、エンディング曲と挿入歌は安部勇磨だった。プロデューサーの齊藤工って、あの「シン・ウルトラマン」の齊藤工?(調べたらそうだった)。リリー・フランキーの一人芝居なのは、撮影されたのがコロナ真っ只中だったからだね、多分。
サギペディア
2023年6月23日金曜日
2023年6月22日木曜日
で、昭和を大きく使えましたか?
2023年6月20日火曜日
『三度目の殺人』:メモ
2023年6月19日月曜日
「黙読と雖も実は声は聞こえる」問題から始まって
2023年6月17日土曜日
観光業は売春業
2023年6月16日金曜日
『海よりもまだ深く』:メモ
阿部寛主演。樹木希林、真木よう子、池松壮亮、小林聡美、橋爪功他。
今まで見た是枝監督の作品の中(全部見てるわけじゃない)で、一番好きだと思う。こんなんでイイ。こんなのがイイ。真木よう子が好きだから、というだけの理由じゃなく。
台風のせいで、計らずも、一晩を「同じ屋根の下」で過ごすことになる展開に、漱石の『行人』を思い出した。
crickets, not higurashi cicadas
2023年6月15日木曜日
2023年6月12日月曜日
シェリルの誕生日
この動画の解説間違ってるよね? だから、答えも。
本当はこうじゃない?
「シェリルの誕生日」問題
シェリルはアルバートに「誕生月」だけを教える。
シェリルはバーナードに「何日に生まれたか」だけを教える。
誕生日の候補(選択肢)は次の通り。
May-15, May-16, May-19
June-17, June-18
July-14, July-16
August-14, August-15, August-17
アルバートとバーナードのやり取り。
アルバート:私は誕生日が分かってないが、バーナードも分かってないことは知っている。
バーナード:たしかに私は分かっていなかったが、アルバートの今の発言を聞いて、シェリルの誕生日が分かった。
アルバート:今、バーナードが分かったことを知って、私にもシェリルの誕生日が分かった。
シェリルの誕生日は何月何日?
【回答】
仮に、バーナードが教えられた日が18日か19日なら、その時点でバーナードは誕生日を特定できる。候補の中に一つずつしか存在しないから。しかし、アルバートは、バーナードが誕生日を特定できてないことを知っていて、バーナード自身も誕生日を特定できていないことを認めている。つまり、①18日と19日は除外できる。
(ここまではBBCの解説動画と同じ。この後は違う)
このとき、アルバートが教えられた月がJuneだったとしたら、この時点で、アルバートは誕生日をJune-17と特定できる。なぜなら、①が理由で、June-18は除外できるから。だが、実際にはアルバートは誕生日を特定できていないので、②アルバートが教えられた月はJuneではない事がわかる。
さて、アルバートのその発言を聞いたバーナードは即座に誕生日が分かった。これは、アルバートの発言によって、バーナードを悩ませていた二択のうちの一つが排除されたということを意味する。その排除の中身は②だ。バーナードはJune-17が排除された瞬間に答えがわかったのだから、シェリルの誕生日は、もう一つの17日である「August-17」になる。
で、アルバート自身の最初の発言でバーナードが即座に誕生日を特定できたという事実から、アルバートも上記の論理展開を辿って、誕生日がAugust-17だと分かる。
情報のやり取りだけを抜き出すと、
誕生日を特定できてないという事実によって、
①バーナードは、18と19ではないことをアルバートに伝えた
②アルバートは、Juneではないことをバーナードに伝えた
情報②によってバーナードが誕生日が特定できたという事実によって、
③バーナードは、自分がどっちの17を選ぶべきかで悩んでいたことをアルバートに伝えた。