期間限定配信の『ウルトラマン』第15話「恐怖の宇宙線」を観た。落書きの怪獣ガバドンが謎の宇宙線のせいで、実体化するエピソード。『ウルトラマン』は『ウルトラQ』に輪をかけて、荒唐無稽で破綻しまくっていることは充分分かっているのだが、今回のエピソードは特に酷かった。ファンタジーの部分ではなく、科特隊の組織としての「無責任な邪悪」さが。
イデ隊員が、ガバドンは夜の間は、土管に描かれたただの落書きなのだから、夜のうちにその落書きを消してしまえばいいと提案すると、まず、アラシ隊員が、科特隊が落書き消しなんかできるかと怒鳴り、更に隊長のムラマツが、科特隊は正々堂々と戦ってガバドンを倒すと宣言する。恐ろしいほどの、イカれた武装集団ぶり(男たちは手に入れた「オモチャ」を使いたくてしょうがない)。しかも、結局、ウルトラマンが宇宙に持ち去って「解決」するのだから、科特隊は、人類にとって害悪以外の何物でもない、と改めて思った。
60過ぎて「シン〜」を作った庵野とかは、科特隊の「異様さ」に代表される、物語としてのデタラメ具合は完全に「through」して、特撮とかの方だけで、『ウルトラマン』(や『仮面ライダー』)評価してるんだろうなあ。じゃないと、バカバカしくて、こんな作品リメイクしようとは思わないもの。