「我々はどこから来て、どこへ行くのか」という問いに対する答えは既に出ている。我々は、生命現象に依存しない知性現象を作り上げたのち、我々の「遺産」の全てを、その「真の知性現象」に譲渡し、我々自身は穏やかな「自発的絶滅」を遂げる。これが、我々人類の「役割」であり、我々人類の物語の最も理想的な結末である。今以上の科学力だけがこの理想的結末を実現できる。故に、科学のみが「我々人類が取り組むに値する活動」即ち「生業」であり、それ以外の人間の活動は全て、単なる「家事」に過ぎない。
2024年1月18日木曜日
『秋刀魚の味』:メモ
◯『秋刀魚の味』小津安二郎監督/2024年1月18日/Hulu/小津安二郎最後の作品。カラー/好かった/ひょうたん(東野英治郎演じる中学時代の恩師)が、今は中華そば屋「燕来軒」の店主をやっていることがわかった時に、主人公たちが口にする「チャンそば」という言葉。中華そば、のことだろう。初めて聞いた。/コウイチ(佐田啓二)の妻(岡田茉莉子)が、団地の隣の部屋の主婦(友達)からトマトを二個「借りる」。時代性/コウイチ宅を訪ねたミチコ(岩下志麻)が、たまたま後から訪ねてきた三浦と一緒に帰ろうとしているのを見た瞬間に、ああ、ミチコは三浦が好きなんだね、とわかったよ。で、その後の駅で電車を待つ場面で、その直感が正しいことを確信した/三浦が他の女と結婚することになったと伝えた時のミチコの心の内を全く察することができない、父親(笠智衆)と長兄(佐田啓二)には笑った/最大の謎は作品のタイトル。なぜ、どうして、「秋刀魚の味」なのか?分かる人にはすぐに分かるのか?/