NHKのよるドラ『恋せぬふたり』をオモシロク観てるのだが、ほんのちょっとだけ引っかかったことがあるのでメモしておく。
第二話で、「高橋さん」が「自分の親がどうなろうと知ったこっちゃない」という考えの人間なのは、「小さいときに親の方から縁を切られたので、こちらからも縁を切ったのがその理由になっている」ように受け取れるような場面が描かれていた。
で、「高橋さん」の実際のところは、どうだか分からないので、「高橋さん」のことをとやかく言うのではなく、世の中には、ごく少数ではあるが、特に理由もなく、だから、恨みもツラミも因縁もなく、ただ単に「自分の親がどうなろうと知ったこっちゃない」と本心から思えてしまえる人間が存在している。
何の証拠があって?
当人が今そう言ってるんだから、これ以上の証拠はないだろう。
人間は、様々な腸内細菌や皮膚の常在菌のおかげで健康に生きられているけれど、殆ど全ての人間は、そのような〈命の恩人〉たる細菌類について、(どう言い訳しても)「どうなろうと知ったこっちゃない」という態度で、日々平気で過ごしているし、人に拠ったら、それらの存在について生涯心に思い浮かべることもなく、人生を済ませてしまう。そして、そのことに何の罪悪感も抱かない。
だが、それでいいのだ。
自分の親の扱いも、本来、腸内細菌や皮膚の常在菌と同じで充分。それ以上のことは全て、寂しがり屋の虚構だから。