2022年1月26日水曜日

夢の中の記憶

夢の中の記憶がオモシロイのは、夢の中の自分が、特定の2つのエピソード記憶について、一方は夢の中の記憶、即ち、本当のエピソード記憶ではないが、他方は本当のエピソード記憶だと〈分かっている〉点だ。勿論、現実にはどちらも本物のエピソード記憶ではない。両方共に、単に夢の中で体験したに過ぎない〈偽のエピソード記憶〉である。

しかも、夢の中での「本物のエピソード記憶」の〈認定〉は不動ではない。例えば、記憶甲、記憶乙、記憶丙があるとする。最初の夢では、甲と乙は〈本物〉で、丙のみ〈偽物〉なのだが、しばらく後で見た夢の中では、丙に加え乙も〈偽物〉ということになっている。しかし依然として甲は〈本物〉のままだ。What does devide them?

夢から覚めてみれば、甲乙丙の全てが偽のエピソード記憶なのはすぐに分かる。と言うのは、合理的に考えてどれも現実には有り得ない体験だからだ。しかし夢の中では、或る記憶を「単なる夢」と正しく判断することソレ自体が、別の(単なる夢の)記憶を「本物の体験」として〈確信〉する度合いを強めているように思えて、オモシロイ。