「我々はどこから来て、どこへ行くのか」という問いに対する答えは既に出ている。我々は、生命現象に依存しない知性現象を作り上げたのち、我々の「遺産」の全てを、その「真の知性現象」に譲渡し、我々自身は穏やかな「自発的絶滅」を遂げる。これが、我々人類の「役割」であり、我々人類の物語の最も理想的な結末である。今以上の科学力だけがこの理想的結末を実現できる。故に、科学のみが「我々人類が取り組むに値する活動」即ち「生業」であり、それ以外の人間の活動は全て、単なる「家事」に過ぎない。
エゾシカにぶつかった自動車が反対車線に飛び出して、走ってきたトラックと正面衝突した事故で、テレビが、シカへの対策がどうとか言っていたけれど、この事故のそもそもの原因はシカではなく、真ん中に線を引いただけの道のアッチ側とコッチ側から時速50キロ以上で自動車を走らせていることだよ。
この事故に限らず、真ん中に線を引いただけの道の上を、何台もの自動車がすれ違っていく様を見ていると、平気な顔をした乗客たちが列車の屋根やバスの窓に溢れ出ているインドの(昔の?)映像を思い出す。