面積を表す単位「平方」が嫌い。
「cm²(平方センチ)」でも、「m²(平方メートル)」でも、「km²(平方キロメートル」でも構わないが、とりあえず、最も一般的な「m²」で話をすると、これを教える時、大抵の場合、
「1m²とは、一辺が1mの正方形の面積である」
とヤってしまう。単位の説明なのに。
こういう言い回しで教えられると、例えば、「100m²」の面積を問われた時に、うっかり、「一辺が100mの正方形の面積」を思い浮かべることになりがち。
すると、泥沼。
一辺が100mの正方形の広さは、100m×100m=10,000m²なので「100m²=10,000m²」という奇っ怪な等式が出現してしまうのだ。
言うまでもなく、「100m²」に対する正しい[理解・認識]は、「一辺が1mの正方形、即ち1m²の正方形を100枚並べた面積」である。
泥沼はもう一種類あって、例えば、1mは、1,000mmであるという「事実」から、「1m²は、1,000mm²である」とヤッてしまうこと。
ここから、「1m²は、一辺が1mの正方形の面積なので、それはつまり、1,000mm²は、一辺が1,000mmの正方形の面積だ」となり、正方形の面積を求める式にその数値を当てはめ、1,000mm×1,000mm=1,000,000mm²という「答え」を出してしまう。その結果、ここでもなぜか、当初、1,000mm²だったものが、「気がつくと」1,000,000mm²になっているという、底なしの泥沼が現れる。言い換えると、最初、1mm²の正方形で1,000枚分の面積だったものが、なぜか、1,000,000枚分の面積に増えてしまう泥沼。
もちろん、ここでの誤りは、1,000,000mm²の方ではなく、1,000mm²の方。即ち、1m²は1,000mm²ではないのだ。敢えて書くなら、1m²は、(1,000mm)²である。
しかし、それもこれも、単位の定義の説明で「1m²は…」とやってしまうことで起きる悲劇。「m²という単位は…」と「1」なしでやったほうが安全。1m²が「1m×1m」の正方形の面積と教えられたら、かなりの人間が、100m²という[表記・数値]を目にした途端、それは「100m×100m」の正方形の面積(に相当する面積)のことだと誤解してしまう。…気がする。
(【む】2022-04-22)