世界中に戦争を仕掛けて、世界を征服しかけた「大国」が、最後に、「小国」の文化に「破れて」、世界征服を諦めるという内容の絵本が、安住と三谷幸喜のニュース番組で紹介されていた。
それで、「戦争」と「文化」の「本当の違い」について書きたくなった。つまり、「戦争」という「争い」に対する、「平和」の代名詞・象徴としての「文化」という、「表面的な対比」ではない、「本当の違い」について。
「戦争」とは、遺伝子(gene)を媒体とした自然淘汰の産物だが、「文化」はそうではない。これが両者の「本当の違い」である。文化はミーム(meme)を媒体とした自然淘汰の産物。媒体の違いはあれ、どちらも自然淘汰の産物であるのだから、同じようなものだろうと考えてしまいがちだが、まるで違う。
戦争が[のちの世代]に残す性質は、すべて、子孫を残すまで生き延びた人間たちの性質。言い換えれば、殺し合いで生き延びた側の人間の性質。その一方で、文化は、それを担っていた人間たちが子孫を残すことなく滅びても[のちの世代]に引き継がれる可能性がある。
極端なことを言えば、侵略者に滅ぼされた人間たちの「文化」が、彼らを滅ぼした当の侵略者たちに「受け継がれる」ことさえ有り得るのだ。「文化」が「遺伝子を媒体としない自然淘汰」であることの真の[意味/意義]はここにある。(む)
(2022/04/10)