▼アバンタイトルの辻斬り場面。バカ殿が斬ったはずの、おしず(お島の妹)が実は生きていて、しかも割と元気な様子で逃げ出そうとする描写は、バカ殿の試し切りに使った刀がナマクラというよりは、バカ殿の刀の腕がナマクラであるという描写。それが証拠に、バカ殿は、起き上がって逃げ出そうとしたおしずに、鬼の形相で何度も斬り掛かっている。これは、「恥をかかせやがって」とか「なんで俺はこんなに剣が下手なんだ!」という怒り。多分。
▼今回も侍専用の牢屋「揚屋(あげや)」が登場。第一話では、天神の小六のセリフの中にしか出てこなかったが、今回は、ちゃんと映像としてみることができた。牢に掲げられた看板に、漢字で「揚屋 弐」とあったので、漢字も分かった。どういうものかも分かった。普通の牢屋は土間っぽいが、そこから階段を数段登ったところに設置されている。別の棟というわけではなく。廊下の奥の中二階といった具合。
▼このエピソードのラストシーンは謎。直前まで、仕置現場から走って逃げていた鉄と錠が、開いた屋敷の門から、涼しい顔でゆっくり歩いて出ていく。しかも、その門は二人が出た後にキチンと閉じられる。つまり、そこには門番がいて、二人のために門を開け閉めてくれたのだ。これは色々に解釈できるが、〈実は守山藩の門番たちも以前から、殿様の辻斬り遊びに相当な反発を持っていたので、殿様たちを仕置してくれたらしい鉄と錠に自発的に協力した〉と考えるのが一番好き。もちろん、北上の指示というのが一番可能性は高いけど。