2021年8月27日 金曜日
天気:朝は曇り。夕方一時雨。04:30頃と18:00頃猫散歩。
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☆『パージ:大統領令』(2017)(吹き替え版)prime video/2021年8月27日/『『ダークナイト』シリーズみたいな話って、バットマンとかジョーカーとかいない方が、お話が面白くできるんじゃねえの?」と思っている人は観た方がいい。その通りだと分かるから。
バカっぽいアマプラの「ポスター」(サムネイル?)の印象とは違って、カルト宗教、銃問題、偏見、格差社会などのアメリカの抱える問題に対して、割と真面目に意見表明している映画。しかも、「パージ」に否定的な登場人物たちがみんな、「地に足がついた」物言い・振る舞いをするのも好い。
納得いかないところもある。
パージの夜に街に人の気配がないのは、誰かを殺したい人間よりも、誰も殺したくない人間の方が多くいて、みんな家に閉じこもっているから?
パージをしようと街を歩き回っている連中が一番パージされる確率が高いわけで、パージは回数を重ねるごとに「下火」になるんじゃないかな?
パージ制度が20年以上も続いているのに、それを当て込んだ商売が一向に存在してないらしいこと(保険はあるみたいだけど)も引っかかる。つまり「即席ボディガード業」や「格安武器レンタル」や「緊急避難場所提供業」とかがそこら中にありそうなものなのに、何もない。
さらに、「女子高生」たちが最初に襲撃に来た時、どうして店員たち(ジョーとマルコス)は、さっさと彼女たちを撃ち殺さなかったのか? 何と言っても主犯格の返り血まみれの女子高生は「パパとママはもう殺してきた」と言ってるわけだし。案の定、仲間を連れて引き返してきて、ジョーとマルコスは、議員やシークレットサービスもろとも命の危険に陥る。で、結局、助けに駆けつけたレイニーが全員ブチ殺しているわけだし。あの二人は「やさしい」ってこと?
なにより引っかかるのは、パージ中に殺人を犯した連中は、その次の日から一年間、「どんな顔」をして過ごすのか、ということ。 例えば、例の「女子高生」は、周囲の人間も、そいつが両親を殺したことを知っているし、当然、知ることになるわけだから、学校やその他でも、「タダでは済まない」と思うんだけど。別にリンチ似合うわけではないとして、危険人物として、合法的に「処置/処分/収容」などされる可能性が高い。まあ「パージ」は、物語を語るための「方便」で、ここにリアルを求めてはいけないんだろうよね。
エンドロールにDavid Bowieの『I’m afraid of Americans』が流れて、ニヤリとなった。
シークレットサービス:レオ
次期大統領候補の女議員:チャーリー・ローン
食料品店のオヤジ(元ギャング):ジョー(ディクソン)
食料品店の店員(メキシコ人移民):マルコス・ダリ
元パージャー(?)で今はトリアージの救急車を走らせている女:レイニー
追記:後で知ったけど、実はシリーズもので、これは3作目らしい。で、シークレットサービスをやっていたレオが前作から引き続き出ている「主人公」らしい。しかし、そんなことを知らず、途中で誰が死ぬかもわからない話として、つまり「バットマン」のいない話として、物語を追えたので、かえって楽しめた。この手の「リアル」路線にスーパーヒーローは要らないよね。『ダークナイト・ライジング』のバットマンって、一人だけあんな格好でバカみたいだったろう?
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§º囲碁とかchessとかの「曲芸」じゃなく、哲学論議や科学論争で、一流と云われる人間をやり込めるようになったら、ようやく一人前の人工知能。
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『魔改造の夜』視聴。飛び出すトースターを魔改造して、どれだけ高く飛ばせるかを競うものと、おもちゃの歩く犬を魔改造して25メートル競争。参加したのは、自動車メーカーのトヨタと、町工場の浜野製作所と、東京大学。
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『明鏡止水』という、日本の古武術などの真髄を紹介するNHK番組を見た。「レギュラー番組への道」という枠のモノ。ケンドーコバヤシがMCをやって、岡田准一と市川紗椰が出ている。
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宮崎駿監督『風立ちぬ』を金曜ロードショーで面白く視聴。堀越二郎が喋るたびに庵野秀明の顔がちらついていけねえ。