2021年10月22日金曜日

板尾って大根

2021年10月21日 木曜日



天気:一日大雨。猫散歩休止。



『仕置人』鑑賞。第12話「女ひとり地獄旅」

memo:

  1. たった一人行き残った理由を、「偶然、山に花を摘みに行っていた」と書いている。要するに、レイカは山に入って大小便をしていたということ。

  2. レイカが持っていた本物のリュウザン焼きの「香炉」は、200両で売れた。この200両を仕置き料にして仕置きをしてくれという半次に対して、鉄は、これを元手にレイカと夫婦になった方がいいだろうと諭す。しかし、琉球出身の錠は、「異国人」として日本人に苦しめられたレイカ境遇に共感して、仕置きをするべきだと主張。

  3. 錠が言う「弾正(だんじょう)は天領を通って山越えをする気だ」の「天領」とは、藩ではなく幕府が管轄する領地のこと。



『アバランチ』の第一話を観た。アバランチの連中に証拠を突きつけられたときの、板尾創路演じる今回の悪役「六車」の人物造形/振る舞いがまるでナッてない。自分は、息子やヤクザを使って商売敵を拉致監禁の末に殺そうとするような人間なのに、自分を脅してくる何処の馬の骨ともわからない謎の連中(アバランチの連中)のことは、ちゃんと法律を守って警察に通報したり告発したりする人間だとハナから思い込んでいる。非合法なことをやっている人間(今回の六車のような人間)が、その悪事をネタに脅されたら、まず、脅してくる相手も非合法な人間だと思うはず。犯罪者を警察に突き出すような「マトモな人間」が、覆面をかぶって、無人のテレビ局スタジオに誘い込むはずがない、ということを誰よりも知っているのが、六車のような[非合法な手段に訴える人間]のはず。なのに、そうじゃない。これは、このドラマの作者が持っている「アバランチのメンバーは悪を正す側だ」という知識(設定情報)が、物語の中の悪役「六車」に勝手に滑り込んでしまっているために起きたこと。


もう一つ、六車の「振る舞い/言動」で引っかかるのは、自分は警察に影響力を発揮できるから、告発されても「もみ消す」ことができると、反論していること。「もみ消し」が成功したところで、一旦告発なり事件なりが明るみになれば、社会的には完全に「躓く」ことがわからないのだろうか? 有罪にならなくても、告訴されなくても、社会的には相当な打撃を受ける、ということがわからないのだろうか? いや、そういうお人好しは存在するが、今回の六車のように、非合法的なやり方でのし上がって来た人間の、世界観/世界認識/洞察力からはあり得ない発言。


そして最後に、アバランチの連中についても。いくら覆面をつけているとはいえ、六車と一緒にネット上に姿や声を晒すのは、命取り。町中の監視カメラをハッキングできるのは、マッキー(千葉雄大)だけじゃない。ハブ(綾野剛)はずっと同じ服装だから、すぐに、正体がバレるよ。しかも、ご丁寧に、アジトのマンションの集合ポストには「∀(アバランチ)」のマークまで貼り付けてある。警察が調べて回らないくても、配送業者で働いている人間が、個人のSNSに「配達先のマンション/ビルの集合ポストにこんなマークがあったよ」なんて、載せたら一発でアウト。


次回の第二話で早々に全員が逮捕される(あるいは正体がバレて指名手配される)展開でなければ、これは、スタローンやシュワルツェネッガーが撃つ弾はバンバン敵に命中するけど、敵の一団が撃つ弾はスタローンやシュワルツェネッガーには全然当たらないアレと同じ、八百長モノだと判断するしかない。



§º人間の不幸の大半は、人生をすっきり終わらせる方法を持っていないこと、もしくはそれを封じられていることによって引き起こされる。