戦争は、生命現象の「回転」に、知性現象のたくさんの歯車が噛みあわされて巨大化したもの。だから、やっぱり、ただの生命現象だよ。これをひっくり返すとこう云える。生命現象ではない純粋な機械は戦争をしない。生命現象を模した機械だけが戦争をする。
人間が、人間対機械の未来戦争を思い描くとき、敵に想定されている機械は、実は、機械式人間のことで、結局は「人間対人間」なんだ。それはちょうど、人間が思い描く「人間対悪魔」「人間対異星人」「人間対自然」が、よくよく見れば、結局どれも、「人間対人間」、もっと厳密に言えば、人間の持ちうる或る価値観と、やはり人間が持ちうる別の価値観の対決でしかないってのと同じこと。
人間は自分たちで思っている以上に[人間という枠]から抜け出せない。たとえ「自由」な想像の中でさえ。
(アナトー・シキソ 2018/06/07)