2020年6月2日 火曜日/晴/昨日よりは涼しいが暑い/風強し
昨日の夜に外でボンボン花火が鳴っていたので何だろうと思ったら、今朝のニュースで、今回のコロナ禍で花火大会が軒並み中止になった全国の花火職人たちが「こっそり」話し合って、疫病退散の花火を打ち上げたのだと、言っていた。打ち上げられない花火の中には廃棄処分するしかないものもあり、捨てるくらいなら打ち上げようというハナシ。つまり、昨日のアレは札幌市だけではなかったのだ(ちなみに、後で知ったが、札幌の花火は、いつもの豊平川河川敷ではなく、藻岩山から打ち上げていたらしいので、ボンボン言っている時に窓を開けてたら、見えたかもしれない)。日本全国の43都道府県の全てで、あの時刻(20時?)に一斉に花火が上がっていたのだ。いや、ま、ご苦労さん。
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「テレポーテーション」の話をしてみよう。昔のSF映画などに出てくるし、ウルトラマンも技として持っている「物体転送」とか「瞬間移動」とか言われるアレだ。「人間が想像できるものはいずれは全て実現できる」という迷信が一部の人間の中にあって(それが迷信なのは、例えば、人間は世界の果ての海の水が流れ落ちる滝を想像し、いつかはその滝を目にすることができると想像したが、「世界の果ての滝の目撃」は決して実現しない。そもそもの世界認識の根本が間違っていたためだ)、そういう信者にとっては、この「テレポーテーション」もいずれは実現できる類の技術なのだろう。
単なる物体のテレポーテーションはおそらく可能だろう。実のところそれは、「設計図を送って現場で新規に作り上げる」を全自動化するだけのことだからだ。だから、機械装置だの薬品だのは「転送先」に材料や原料が揃っていれば「転送」できる。
問題は人間。単なる物質としての「誰でもない」人体を「転送」することは、上で言ったように、「材料」さえ全て取り揃えておけば、そう難しくはないだろう。「中身」がある場合が問題なのだ。「中身」すなわち「意識」とか「心」とか「人格」とか呼ばれるものだ。例えば、「あなた」という人間を転送するときに、転送先に現れる人体に「あなた」を「再現」するには、もう、神がかり的に高度な複製技術(詳細な脳状態のデータの取得と、取得したデータの欠損の完全な回避)が必要となる。更に、人体には様々な細菌が共生している。彼らも同じように「複製・転送」しなければ……