2020年4月11日土曜日

6年ぶりに開催された TBSの『ドリームマッチ』を観た。漫才師とコント師のコンビ及びピンで参加の四人(今回はクッキー、渡辺直美、ロバート秋山、南海キャンディーズ山里)が、「お見合い」をして、相方をシャッフルした即席のコンビを作り、新ネタを披露するという番組。

「優勝」したのは予想通り、秋山と千鳥ノブのコンビだった。秋山の世界にノブが紛れ込んだらきっとこうなるだろうというネタで、秋山の良さもノブの良さも両方ちゃんと出ていたので、おそらくこれだと思っていた。

個人的に好きなのは、やっぱりクッキーの「超能力・異能の少女・宇宙人」の世界。しかし、コンビを組んだオードリー若林が、若林である必要はなく、その意味で「優勝」ではないな、と。

一方、キャンディーズ山里と組んだオードリー春日もまた、オードリーのネタ中の「怪人」春日ではなく、バラエティ番組での「いじられキャラ」の春日になっていてもうひとつだった。「怪人」春日はあまり喋らないが、「いじられ」春日は饒舌。

今回気づいたのは、言うなれば「2周するネタ」が比較的多かったこと。最初の千鳥大悟とハライチ澤部のネタも、ナイツ土屋とサンド富沢のネタ(ちなみにネタの後半、大騒ぎして土屋に突っ込みしまくる富沢の姿が新鮮だった)も、霜降り粗品とチョコレートプラネットの某の(一通りコントをやった後、同じコントをもう一度サーモグラフを見せながらやって「種明かし」をするというの)も、ナイツ塙とチョコレートプラネットのもう一人のセミナーネタも、いわば、みんな「2周する」タイプだった。これは、多分、この番組のネタの持ち時間が普通のネタ番組よりも長いからだろう。

この中では、土屋と富沢の、後ろを向いて練習するときはうまく行くのに、いざ正面を向いて客にネタを披露するときは「うまくやれない」という「2周」パターンの、富沢がうまくやれないネタが、いわゆるナイツの言い間違いネタになっていて、富沢が練習の時はちゃんと「言い間違える」のに、本番では「言い間違えられず」に正しいことを言ってしまって、それに対して土屋が「言い間違い」で突っ込むという、メタ構造が面白かった。

あと、今思い出したが、ハライチ岩井と渡辺直美がやった「醤油の魔神と塩の魔神」のミュージカル・ネタも好かった。特に、岩井が演じた塩の魔神の扮装が、『Cold Song』のクラウス・ノミを彷彿とさせて、個人的に好感。