【レスリー・デンディ、メル・ボーリング著『自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝』 巻末年表の写し (その1)】
16世紀 サントリオ・サントリオが、自分の体重と、飲み食いした物の重さと、排泄物の重さを30年間に渡って測り続ける。(イタリア)
1543年 アンドレアス・ヴェサリウスが、著書『人体の構造について(The Fabric of the Human Body)』の中で、人体のありのままの解剖図を載せる。それまで数百年の間、人体については間違った情報が信じられてきたが、本書のはその数々の誤りを正した。(イタリア)
1609年 ガリレオ・ガリレイが、自ら望遠鏡を製作して初めて天体観測を行う。(イタリア)
1628年 ウィリアム・ハーヴィが著書を発表し、血液が体内を絶え間なく循環していることと、その原動力が心臓の拍動にあることを明らかにする。(イギリス)
1673年 アントン・ファン・レーウェンフックが手持ち式の簡単な顕微鏡を製作し、細菌、原生動物、藻類などの観察を始める。(オランダ)
1752年 物理学者のルネ・レオミュールが、鳥類の消化についての実験を始める。(フランス)
1774年 ジョージ・フォーダイスと友人たちが、摂氏約127度の部屋にこもり、人体の生理的機能にどんな反応が現れるかを記録する。(イギリス)
1776年 ラザロ・スパランツァーニが、亜麻袋や木筒に食べ物を詰めてそれを飲み込み、当時はまだほとんど知られていなかった消化のプロセスを調べる。(イタリア)
1796年 エドワード・ジェンナーが、史上初のワクチンとなる種痘法を開発する。天然痘の予防を願ったもので、実際にその効果があった。(イギリス)
1799年 ハンフリー・デイヴィー卿が自分の体で亜酸化窒素の実験をし、鎮痛剤として使えるかもしれないと示唆する。(イギリス)
1842年 医師のクロフォード・ロングが、エーテル麻酔を用いて手術を行う。ただし、実験の記録を残さなかった。(アメリカ)
1844年 ホレス・ウェルズが、「笑気ガス(亜酸化窒素)」を吸った上で自分の歯を抜かせる。笑気ガスを麻酔剤に用いた例は当時まだほとんど報告されていなかった。(アメリカ)
1846年 ウィリアム・モートンが自らエーテルを吸って意識を失う。笑気ガスと並ぶ有望な麻酔剤の誕生である。(アメリカ)
1860年代 ルイ・パスツールが、食べ物の腐敗や…