【デンディ/ボーリング著『自分の体で実験したい』 巻末年表(その4)】
1933年頃 ●医師のジャック・ポントーが蛇毒の抗毒血清を自分に注射し、免疫ができたかどうかを確かめるために3匹のクロクサリヘビにわざと噛まれる。血清は効果を上げた。(スイス)
1934年 ●ソクラテス・ラゴーダギー博士が、ハンセン病の治療法を研究するために患者の血液を3回注射する。ラゴーダギーの皮膚には、感染によって局部的な知覚麻痺やこぶが生じた。彼はそれを5ヶ月間放置しあと、100回近くの注射と1000個以上の薬を飲むことで自力で病気をほとんど直した。(エジプト)
1939年 ジャック・ホールデンとヘレン・スパーウェイが、水槽の水に浮かんだり、金属製の小部屋に座ったりしながら、高圧ガスを吸う。(イギリス)
1944年 ●医師のクロード・バーロウが、住血吸虫と呼ばれる寄生虫を腕とヘソの皮膚から体内にわざと侵入させる。この寄生虫をエジプトからアメリカに運んで、住血吸虫症の研究をするためである。(アメリカ)
1947年 航空医官のジョン・ポール・スタップが、航空医学の分野で実験を始める。(アメリカ)
1952年 ◆アルフレッド・ハーシーとマーサ・チェイスが、バクテリオファージ(細菌に感染するウィルス)を使った実験を行い、遺伝子がDNAでできていることを示してほとんどの生物学者に受け入れられる。(アメリカ)
1954年 ジョン・ポール・スタップが、減速が人体に及ぼす影響を調べるため、ニューメキシコ州の砂漠でロケットスレッドに乗る。走行速度が時速約1017キロという記録を打ち立て、「地上最速の男」となった。(アメリカ)
1956年 ヴェルナー・フォルスマンが、アンドレ・F・クールナン博士およびディキンソン・W・リチャーズ博士と共に、心臓カテーテル開発の功績に対してノーベル生理学賞・医学賞を受賞する。(スウェーデン)
1962年 ◆ジョン・H・グレン・ジュニアがアメリカ最初の飛行士として地球のまわりを回る。当時40歳という年齢は、宇宙旅行を果たした人物としては最年長。グレンは「フレンドシップ7号」に乗った。その10ヶ月前には旧ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンが、人類初の宇宙旅行を成功させている。(宇宙)
1968年 ●獣医のロバート・ロペスが、ネコについていたダニを自分の耳に3度入れ、飼いネコのダニが人間に住みつくか‥‥