2020年4月1日水曜日

あまりにも長い間、[ワクチンや治療薬が存在する伝染病]とだけの付き合ってきたせいで、今度の新型コロナに対する、社会や人々の対応や想像が、かなり「マト外れ」なモノになってる気がする。

今度の新型コロナは久々に人類の前に現れた「死神型」疫病。死神型というのは、つまり、全ての人間のところにやって来て「お前は生きろ、お前は死ね」と「生と死の選別(宣告)」をするという意味。

死神型は別に珍しいものじゃない。大昔から、人間を筆頭にあらゆる生物につきまとって来たタイプの疫病。人間は、医学(科学)の力で、ワクチンだの治療薬だのを作り出し、ながらく死神型が表舞台に出ないように抑え込んでいた(だけ)。治療薬やワクチンが存在しないことで、伝染病は「死神型」になる。

「死神型」最大の特徴は、交流のある全ての人間に感染するまでは終息しないということ(ワクチンや治療薬がないとはそういうこと)。これは、「交流のある全ての人間が感染して死ぬまでは終息しない」ということではない。「死神」のmetaphorに近づけて言うなら、全ての人間に生死の宣告を告げるまでは終息しない、ということ。

で、今の世界。地球上で交流のない人間は、アマゾンの奥地も含めてどこにもいない。

だから、感染者数が減ろうがどうしようが、地球人類全体に対してこの「死神による宣告」が完了していない間は、もう、コロナ以前のような、ウィルスに対して無頓着な、人間同士でウィルスを自由に交換しているような、いわば「不衛生な」(別の言い方をすれば呑気で牧歌的な)社会活動や社会機構は不可能。たとえ何日、感染者ゼロの日が続いても、ある日、一人の感染者が見つかれば、その集団、都市、国には、それ以外にも複数の「見えない」感染者がいると想定しなくてはならず、そうなれば、すぐに「Stay home」状態の世界に逆戻り

誤解を恐れずに言えば(誤解を恐れたことなんかあったか?)、「死神(新型コロナ)」が、例えば君に向かって「お前は生きろ」と宣告しても、無邪気に喜んでいてはダメだ。その「生の宣告」には隠された別の意味があるからだ。それは、「今からお前は俺(死神)の手下だ」ということ。

ただ、こうも言える。今回の新型コロナまで平気で生きて来た人間たちはみんな、それまでに出現した様々な「死神」たちに「生の宣告」を受けた人間の子孫で、つまりは、誰もが既に死神たちの手下だということ。