2020年5月12日火曜日

『クローズアップ現代+』2020.05.12放送分メモ


【happy hypoxia:幸せな低酸素症】

重症化して体内が低酸素状態になっているのに自覚症状がない。これは、新型コロナウィルス(COVID19)が上気道を素通りして、いきなり肺に到達することで起きる。即ち、上気道での炎症が起きないので、咳などの症状がないまま、肺の中でウィルスが増殖し、肺の機能を蝕んでいく。症状(呼吸困難など)が出た時には、もう手遅れということも珍しくない。


素人考えで敢えていえば、対処法としては、PCR検査で陽性になった場合には、見た目の症状が軽症でもとりあえず、肺のレントゲンを撮ることだろう。肺炎が進行していれば、ちゃんと影が映るわけだから、少なくとも、「急に」呼吸困難状態に陥って命を落とすことはなくなるはずだ。


【サイトカインストーム】

血管壁の細胞に侵入したCOVID19ウィルスを免疫細胞が攻撃を始めた場合、「見た目がそっくり」の健康な血管壁細胞も全て「敵」と「誤解」される場合がある。このとき、健康な細胞に対する免疫細胞の総攻撃の嵐が吹き荒れる。即ち、サイトカインストームである。この「嵐」は身体中に張り巡らされて血管を通って、あらゆる臓器に到達しうる。すると、多臓器不全が起き、患者は急速に症状を悪化させ、死ぬ。


【髄膜炎】

COVID19ウィルスが鼻の細胞から侵入して髄膜に炎症を起こす。或る20代の患者は自宅療養中に倒れ(家族が発見)、病院に運び込まれた。入院し、治療した結果、髄膜炎は治ったが、ここ1~2年の記憶(職場の名前や場所、あるいは、今、新型コロナ騒動が起きていることなどの記憶)を失った。


【フサン】

30年以上使われている膵炎の治療薬。ウィルス増殖の抑制(ウィルスが血管壁に入り込むのを抑える)と、血液凝固の抑制という二つの効果があり、期待されている。即ち、ウィルスの増殖とサイトカインストームの両方に抑制効果があるということ。因みに、アビガンやレムデシベルは、ウィルスの増殖を抑えるだけの薬なので、サイトカインストーム(からの多臓器不全)には効果がない。


【酸素飽和濃度:サチュレーション】

血液中の酸素飽和濃度のことで、94%以上が正常。酸素飽和濃度を測定する装置(指を挟む小さな装置)は、使用に専門知識が必要な上、機材も不足がちなので、素人が家庭で使うようなことは避けてほしい、と「現場」からの声。