【デンディ/ボーリング著『自分の体で実験したい』 巻末年表(その5)】
1968年 ●獣医のロバート・ロペスが、ネコについていたダニを自分の耳に3度入れ、飼いネコのダニが人間に住みつくかどうかを確かめる。実際に住みつくことがわかった。(アメリカ)
1969年 ◆アメリカの宇宙飛行士、ニール・アームストロングとエドウィン・オールドリンが、人類として初めて月面に降り立つ。宇宙船の月面着陸を成功させたのも、彼らが初めてである。(宇宙)
1980年代 ●漢方医のトラン・クオン・ダンが、自らをアヘン中毒にした上で、中毒を直せそうな薬草を色々と試す。(ベトナム)
1984年 ●医師のバリー・マーシャルが、「治療不能な」潰瘍の原因は細菌にあると考え、その細菌の培養液を飲む。この実験によって潰瘍の治療法は一変し、今では抗生物質で治療できるようになった。(オーストラリア)
1986年 ●フランスの医師、ダニエル・ザギュリーが、ザイールで同僚や志願者の協力のもと、自らに試験的なエイズワクチンを注射する。このワクチンは、エイズウィルスのタンパク質をワクシニアウィルスと結合させたもので、ザギュリーはワクチンの安全性を証明しようとした。(アフリカ)
1989年 イタリア人のステファニア・フェリーニが、ニューメキシコ州の洞窟「ロスト・ケイブ」に入り、4ヶ月の間、血液検査を続けながら一人きりで過ごす。(アメリカ)
1992年 ●メイ・ジェミソン博士が、アフリカ系アメリカ人女性として初めて宇宙飛行を果たす。スペースシャトル「エンデヴァー」で8日間の飛行中、自分たちの体を使って様々な実験をした。例えば、宇宙酔いを抑える上でバイオフィードバック(脳波や血圧など、生体の神経的・生理的状態を目で見える形のデータとして取り出し、それを手掛かりに身体機能のコントロールを学ぶ方法)が役立つかどうかや、低重力下での体液分布の変化などを調べた。(宇宙)
1992年 ●知覚心理学のスチュアート・アンティスが、特殊な眼鏡をかけて脳の順応性を試す。この眼鏡は、白と黒を逆転させ、色をそれぞれの補色(2種の色の光を混合して白色光になるとき、一方の色を他方の色に対して言う言葉)に変える働きを持つ(これをかけると、例えばスクランブルエッグが青く見える)。(アメリカ)
1996年 藤田紘一郎がサナダムシの卵を飲み込み、それで自分のアレルギーが治る…