【デンディ/ボーリング著『自分の体で実験したい』 巻末年表(その6)】
1996年 藤田紘一郎がサナダムシの卵を飲み込み、それで自分のアレルギーが治るかどうかを確かめるために実験を始める。(日本)
1996年 アメリカ人の女性宇宙飛行士、シャノン・ルーシッドが、ロシアの宇宙ステーション「ミール」で、実験用の特殊な宇宙服を着た状態で自分の循環器系を調べる。(宇宙)
1996年 ●昆虫学者のカーク・ヴィッシャーとリチャード・ヴェッターが、自分の腕にハチを押しつけて何十回も刺させる。この実験から、毒針をどうやって抜くかよりもどれだけ早く抜くかが重要であることがわかった。毒針を早く抜けば、体内に注入される毒液が少なくて済む。(アメリカ)
1997年 ペリーでカリオン病(バルトネラ症)の大規模な流行が起きる。
1997年 マウリツィオ・モンタルビーニが洞窟に入り、自身11回目となる隔離実験を行う。これにより、地下生活の合計は通算962日間に達した。(イタリア)
1999年 ●生物学者のアマンダ・レイノルズが、毛髪移植の研究をするため、男性の頭皮の一部を自分の腕に移植する。(イギリス)
2004年 ● ロイ・ウォルフォード博士が79歳で死去する。ウォルフォードは平均的な人より長生きしようと、20年間極めて低カロリーな食事を続けた。ウォルフォードらの40年にわたる研究により、この方法は何種類かの実験動物では効果があることがわかっている。人間を対象にした新しい研究は現在進行中である。(ウォルフォードの死因は神経疾患だった。彼が1991年から1993年までアリゾナ州のバイオスフィア2(←地球生命圏のミニチュア版を収めて密閉した巨大ドームの生命圏研究実験施設)に閉じこもった時に、亜酸化窒素の中毒になったのが原因ではないかと言われている)。(アメリカ)
●赤血球が破壊されると、中のヘモグロビンが撒き散らされて血液中を自由に漂い始める。その血液が腎臓を通る時、ヘモグロビンが濾過されずに尿に入り込み、カリオン病患者の尿は赤黒くなる。
●黄疸で皮膚が黄色くなる原因はビリルビンと呼ばれる黄色い色素である。ビリルビンは分解されたヘモグロビンから作られる。
●カリオン病では、酸素を運ぶ赤血球が減っているので、心臓が激しく鼓動することがある。血液をできるだけ速く送り出して少しでも多くの酸素を臓器に届かせようとしたためだ。