Twin Peaks season 3のpart 11は、Janey-Eの「ダギー、ダギー、ダギ~~~ !!」を始め、Candyとハエの場面や、アンソニーを迎えに行ったCandyがなかなか帰ってこない場面や、ミッチェム兄弟とダギーの「和解」や、レベッカが旦那の浮気相手のアパートに乗り込む場面や、Double RRでの銃の暴発や、とにかく見所目白押し。
ところで、全18パートの「Return」で証明されたことは、もしも、かつての『Dune』や『Fire walk with me』をLynchの好きに、つまり、上映時間の制約なしに完成させていたら、きっと今の状態よりももっと好い作品になっていたハズということ。『Fire walk...』でやむなくカットされた場面だけを再編集したらそれだけで90分にもなったのだから、今ある「完成品」は、どう考えても「カタワ者」。『Dune』に関してはそれほど詳しくはないが、あれも、もっと時間を費やして描いた方が好くなるのはほぼ間違いない。それを、カネをあっちからこっちに動かす以外に大した才能もない連中が口出しして、作品を「殺す」のだ。
Candyのハエのくだりや、ダギーやCandyのゆっくりした反応に典型的なように、Lynchの映画に不可欠なのは「長い間」すなわち「しばらく黙って物事の推移をじっと見ている視線」なのだ。
考えてみれば、最初の『Eraserhead』からして、「しばらく黙って物事の推移をじっと見ている視線」だらけの、というか、それを楽しむ映画ではないか。ちょっと、その点で、タルコフスキーの映画(『ストーカー』など)に似ている。
*
立憲民主党のナントカいう議員の、尾美さん(コロナ関連医療の責任者)に対する質問態度が酷いというのでメディアで騒がれているが、確かに酷い。というのは、尾美さんは一番最初に議員の質問に対して答えているからだ(「今の時点では誰にも分からない」がその答え)。ところが件の議員は、おそらく、自分の質問内容というか「自分の意見」に賛成か反対かを「専門家の長」に答えさせたくて、それで執拗に野次を入れている。その様子が、周りにはかなり異様に見えているのに、当の議員はまるで気づいてない。そこが酷い。しかし、単に日本語会話能力に欠陥があるのかもしれない。それならそれで、口頭での議論が仕事の議員には不向き。急いで辞職した方がいい。