2020年12月25日金曜日

キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』(2014年)を観た。

 2020年12月25日 金曜日/晴れ


キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』(2014年)をprime video で観た。主人公のジョン・ウィックは引退した凄腕の殺し屋。かつて属していたロシア系マフィアは、ジョンのおかげで、今、その地域を牛耳れている。マフィアの親分ヴィゴ曰く、「引退」の交換条件に「絶対に不可能」のはずの仕事をジョンに命じたが、ジョンはそれを不屈の精神でやり遂げた。ところが、ヴィゴの息子が、ジョンを襲撃し、ジョンの車を盗み、ジョンの飼い犬を(ジョンの目の前で)殺してしまう。その飼い犬は、ジョンの病死した妻ヘレンが、ジョンの生きる希望として贈ったもの。無論、ヴィゴのバカ息子は、ジョンがナニモノなのかは全く知らなかった。


この映画で一番面白いキャラは、ロシア系マフィアの親分ヴィゴ。最初は、息子がジョンに殺されないように一応ジョンに電話をかけて交渉してみたりするのに、いざとなったら自分の命惜しさに息子の居場所をジョンに教えたりもする。ついに息子がジョンに殺されたときには「苦しませないで殺してくれてありがとう」とジョンに礼を言う一方で、裏切ったスナイパーのマーカスに死の制裁を加えたり、やってることが支離滅裂。で、最後、やっぱり殺されずに生きていたジョンが、高跳びしようとしている自分たちを追いかけてきたときに、とても嬉しそうにしていて、それがなんと言っても好い。


つまり、ヴィゴは、コトここに至り、自分自身が、最強の殺し屋の標的になっていることを楽しんでいる。伝説のジョン・ウィックの「仕事ぶり」を「特等席」で堪能できることを喜んでいる。例えば、ヴィゴの側近が車の中で自分の銃を探し回っているときに、先に銃を見つけたヴィゴが、楽しそうに側近に銃を渡す。その顔はこう言ってる。「お前、銃を持ってどうしようってんだ? その銃であのジョン・ウィックに勝つつもりなのか? 馬鹿だねえ。まあ、やりたきゃ、やってみなよ。どうせ殺されるだけだから」。こんなイカれた(イカした)悪党キャラはあまりない。


あと、全編通じて殺しまくるジョン・ウィックだが、なぜか女は殺さない。教会の金庫の中に居た女事務員二人を見逃すのはまだしも(よく見ると教会の席の老婆も殺してない)、自分を殺しに来た女殺し屋ミス・パーキンズさえ「生かして放流」する。この辺は、なんか、ああ、ハリウッド映画ですね、と少し興ざめした。