2020年12月29日 火曜日/曇り
小津安二郎監督・佐分利信主演『お茶漬けの味』をprime videoで観た。ヒトにものを勧めるとき、よく「騙されたと思って」というが、この映画こそ「騙されたと思って最後まで観てくれ」と言いたくなる映画。ネタバレ的なことを書くと、映画が始まって100分くらいは、小津映画にもこんな「不快」な作品があるのか、と思い続けるが、最後まで見れば、ああ、やっぱりいつもの小津映画だと、スッとできるし、静かな「感動」もある。つまり、ものすごーく長い「溜め」の映画。最初の100分は、最後の15分を描くためのながーいながーい「溜め」(あるいは「前フリ・ネタフリ」)。あと、老人役ではない笠智衆が観れるのもいい。40代くらいのパチンコ屋の親父を演じている。戦地では、主人公(佐分利信)の部下だった男。主人公が勤める会社の社長のセリフの「棒読み」感が凄まじい。誰だろう?
描かれている当時の風俗で言うと、パチンコというものが出始めで、プロ野球があって、競輪もあり、ラーメンも出始め。主要な女の登場人物がみんなタバコを吸っているのも興味深い。
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【メモ】トリアージという概念は、ナポレオン時代、フランス軍の軍医長ドミニク=ジャン・ラレー男爵が、「看護兵は身分や勲章の有無に関係なく重傷者から治療すべきである」と判断したことに端を発する。
(クーリエ June 2020 p65)
@prime readingで、専用再編集版と言え、クーリエを読めるのは大きい(嬉しい)。昔、3年ほど定期購読していたくらいの雑誌だから。
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録画してあった香川照之主演のドラマ『当確師』(テレビ朝日)を面白く観た。当確師とは、選挙当選請負人。選挙当選コンサルタント。内容はやや薄っぺらい気もしなくもないが、香川照之の「策士ぶり」をたっぷり楽しむためのドラマなのだろう。『半沢直樹』では、どうこう言っても脇役だから、たっぷり楽しむことはできないからね。といっても、『半沢』は観たことないんだけど。『当確師』、評判が良ければシリーズ化しようと目論んでいるのが丸わかり。
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NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』第2話「くしゃがら」を楽しんだ。今回のゲスト俳優は森山未來。同じ「少年ジャンボ」に連載する漫画家の志士十五(ししじゅうご)役。
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【メモ】イタリアの医療ビジネスを牛耳る”スマート”マフィア「ンドランゲタ」。イタリアの「4大マフィア」の一つ。「ンドランゲタ」とは「勇気」を意味するギリシャ語に由来する。
(クーリエ December 2020 p30)