2021年3月23日 火曜日/晴れ
§º人間が、生命現象に対して「単なる物理現象とは違う」という認識を持つ時に、「単なる〜とは違う」と思わせているものの正体は、生命現象ではなく、知性現象。実際、生命現象それ自体は「単なる物理現象」。「単なる物理現象とは違う」のは知性現象の方だ。
確かに、知性現象も、その[活動の機構]自体は、現行の物理現象(あるいは物理法則)の制限を受けるが、その[活動の「内容」]は、現行の物理現象の制限を一切受けない。一切受けないからこそ、居もしない神や、平らな地球や、死後の世界を捏造しても、この宇宙は何も困らない。逆に現実の物理の知識を駆使して、宇宙の始まりや終わりを思い描くこともできるし、タイムトラベルの夢想もできる。生命現象は現行の世界それ自体だが(だから、生命現象はただの物理現象なのだ)、知性現象は、基盤は現行の世界にあっても、その本領は、「世界」そのものを生み出すことにある。「単なる〜とは違う」のだ。
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今日は、朝の5時くらいから22時くらいまで、Androidスマホの障害が世界規模(多分)で起きていた。Yahoo Mailとか、Yahoo!天気とか、(使ってないけど)LINEとか、tumblerとかいろいろなアプリが「終了を繰り返しています」状態になるという問題。夜になって、googleが、chromeと[webviewというアプリ]の不具合だった。修正版を作ったので更新しろと発表した。指示通りにその二つを更新すると治った。
§ºいわゆる「投票に行かない若者」がハスに構えて、あるいは不満げに言う「投票したって、世の中、何も変わらないから」は、実はスジが違う。本当は、[投票では「何も変わらない」世の中であると「信じている/信じられる」おかげで、「安心して」投票に行かないという選択ができているのだ。ここに隠れているのは[投票前と投票後(選挙前と選挙後)で、世の中が変わって欲しくない]という願望だ。言い換えると、「投票に行かない若者」は、実は、存外、現状に満足している者たちなのだ。さらにここには、「選挙くらいで世の中が激変することはないだろう」という甘い見通しも隠れている。しかし、言うまでもなく、絶対に選挙で世の中が変わらないのは、独裁国家だけだ(そして、独裁国家の投票率は例外なく異常なほど高い)。
「投票することで、より良い世の中になるなんて幻想だから、投票には行かない」という理屈には、重要な視点が欠落している。それは、「より悪い世の中にしないため」=「現状維持のため」=「社会の病態をこれ以上悪化させないため」に投票に行く、という視点だ。つまり、「投票前と何も変わらない世の中」を維持するために投票に行く、という視点。気づかなければいけないのは、「投票に行かなくても平気」と有権者が思える世の中は、良いか悪いかで言えば、良い方の世の中だということ。独立したての国や、敗戦直後の国や、独裁者を打倒した直後の国なんかでは、有権者の投票意欲は高い。皆が、これまでの「酷い」世の中に「本当の不満」を持っているからだ。世の中に対して「本当の不満」を持っていれば、「投票しても何も変わらない」と思っていても、それでも投票に行く。やれることは全部やりたいからだ。それでもダメなら、懐に短刀を忍ばせて…、あるいは密かに爆弾を作って…という段階に進む。
今の世の中のありようにそこそこ満足しているアナタが「投票してもしなくても同じだ」と言って投票に行かないその横で、今の世の中のありように本気の不満を持っている連中が投票に行く(やれることはなんでもやらずにおれない)。すると、アナタがそこそこ満足していた世の中のありようが変わってしまう可能性が高まる。本気の不満を持っている連中が、アナタ好みの世の中の基準のプラス側の人間なら、アナタにとってもより良い世の中になるだろう。しかし、本気の不満を持っている連中が、アナタ好みの世の中の基準のマイナス側の人間なら、アナタにとって、世の中はさらに生きづらいものになるだろう。
アナタが「投票に行っても何も変わらない」と思えるなら思えるほど、アナタは投票には行ったほうがいい。民主主義国家の選挙(投票)は、世の中をより良くするためのものではなく、極端に走らせないために行われている。アナタが、極左や極右やファシストや独裁者志望でない限り、極端に走っていない世の中こそがもっとも生きやすい世の中であるはずだから。