2020年10月17日 土曜日/晴
録画してあった『はぐれ刑事三世』を観た。原田泰造主演。泰造演じる刑事の苗字が「伝説の刑事」と同じ「安浦」で、ちょっちゅう道に迷って「はぐれている」ので、同僚たちが勝手に「はぐれ刑事三世」と呼んでいると言う設定。立川談春演じる上司の「石橋を叩いて叩いて叩き割る」という捜査方針のキャラクターも面白かった。あと、この談春演じる上司の初登場場面で、手を振らずに歩く「着物歩き」だったのは、噺家である談春への自虐ギャグなんだろう。と、人物設定は面白かったのだが、最後の謎解きが少しわかりにくかった。実行犯と殺人教唆犯が入り乱れていて、結局、「三代目」と「女」のどっちが「真の犯人」なのかが、主人公の刑事ほどが確信しているほどには、ピンとこなかった。(「社長」の自殺工作中に逮捕された「三代目」は「女」に唆されたと自白がするが、主人公はそんな嘘には騙されないと返す)
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『天使にリクエストを』最終回を観た。最後のリクエスト曲は、奥田民生の『さすらい』だった。孫(寺本)が祖母(佐藤和子)を恨んでいたのは、そして、祖母が孫に後ろめたさを感じていたのは(義理の娘=寺本の母親には遺産の相続を持ちかけているので、その心情はかなり複雑ではある)、資金繰りに困った父親(祖母から見れば息子)への援助を断って、彼を自殺に追い込んでしまったと、孫も祖母も思っているから。実際、そうなんだろうけど、島本(江口洋介)の、「人間はいくつなっても間違えてばかりなんだから、許し合うしかない」的な発言が全て。で、またこれが、このドラマの重要なモチーフだろう。
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富野作品が、全てMSが存在する世界なのは、荒木飛呂彦作品が、全てスタンドの存在する世界なのと、いろいろな側面で同じこと。つまり、周囲の「期待」とか、成功した表現者として被った「呪い」とか。
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コロナの影響で仕事を失い将来を悲観した男が、アパートの自室に灯油をまいて自殺を図ったら、本人は生き残り、関係のないアパートの他の住人が焼け死んだというニュースを見た。こういうことがある度に、使い捨ての自殺用拳銃の配布を本気で考えるべきではないかと思ってしまう。その拳銃から弾は出ず、代わりに槍が飛び出す。槍も飛んでいくのではなく、銃口から伸びるという感じ。銃口を眉間に当てるか、口にくわえるかして、引き金を引くと、脳みそとか延髄を槍が貫いて自殺できる。