2020年10月27日火曜日

PART16: NO KNOCK, NO DOORBELL

▼助手席にリチャードを乗せたトラックを、悪いクーパーが運転して、手に入れた三つの座標のうちの同じだった二つの座標場所に来る。*同じだった二つはレイが渡したメモの座標と、ジェフリーズが教えた座標だろう。残りは、ダイアンが送信した座標だけ。

▼悪いクーパー「俺の方が25も年上なんだからお前が行け」。座標の場所に行ったリチャードは激しい電気にやられて消滅する。悪いクーパー「さらば、我が息子よ/Good-by, my son」。その様子を「悪い双眼鏡」でジェリーがずっと見ている。リチャードが消えあとで、クーパーはダイアン宛に「:-) All.」とメールする。ただし、このときは「送信失敗」と出る。@リチャード役の俳優は、松田龍平にちょっと似ている(目の大きさ以外)。


▼感電して昏睡状態のダギーをMitchum兄弟が見舞いに来る。キャンディ「フィンガーサンドイッチよ」


▼ハッチとシャンタル、ポーランド人ZAWASKI accounting.incの会計士が、ダギーの家の前の通りで繰り広げる、馬鹿げだ殺し合いのエピソード。ラスベガスのFBI、ミッチャムMitchum兄弟もその場にいる。つまり「普通の人たち」ではない連中が一堂に会し、いちばん「普通の人」っぽいポーランド人の会計士が、有能な殺し屋二人を殺し、FBIに捕まる。Mitchum兄弟は「この辺りは物騒だなあ」(ブラッドリー)、「みんなストレスに晒されてるからなあ」(ロドリー)と言って、こっそり退散する。


▼昏睡状態だったダギーが目を覚まし、「完全に目覚めた one hundred percent」クーパーになる。目覚めたクーパーは、片手の男から「指輪」を受け取る。「Do you have the seed?」*seedは金の玉のこと。髪の毛を抜いて、片手の男に、化身をもう一人作るように頼む。「I need you to make another one.」また、ダギー・ジョーンズを作ってくれということ。→クーパーが、ミッチャム兄弟に飛行機の準備をするように頼んでいる時のロドニーの電話は、ダイヤル式の黒電話。/ブッシュネルがFBIはどうするんだ?と訊くと、クーパーが答える「I am the FBI.」


▼良いクーパーが目覚めた後、ダイアンのスマホに悪いクーパーの「:-) ALL.」が届く。ダイアンは驚愕して、「I remember.Oh, Coop...I remember...I hope this works.」と呟きながら、座標(48551420117163956)を送信する。それから何かを決意した顔になって、ゴードンたちのいる部屋に向かう*この時の曲が「American Woman」。ゴードンはダイアンが部屋の間に来たことが、なんの知らせもないのに分かる。

ダイアンが最後にクーパーに会った夜の話をする。

「クーパーからの連絡がなくなって3、4年経った頃

「私はまだFBIで働いていた

「One night...no knock...no doorbell...he just walked in.

「キスをされたら、すぐに何かおかしいとわかって、怖くなった

「And he smiled. And his face... And that's when it started. He raped me. He raped me. Afterward,  He took me somewhere like a...an old gas station.

ここまで話して、ダイアンが喋るのを止めた時に、スマホの「:-) ALL.」のイメージがダイアンの中に蘇り、さらに呼吸が激しくなったダイアンが、少し我を取り戻した感じで、しかも自分でも少し驚いた感じで「I'm in the sheriff's station」と二度言う。「I sent him those coordinates. I'm in the sheriff 's station. because... because... I'm not me.  I'm not me.  I'm not me.」といいながら、どんどん混乱していく感じで、銃の入ったハンドバッグの中を覗き込む。それをみた、アルバートとタミーも自分の銃に手を伸ばす。ダイアンがアルバートたちに銃を向けたところで、アルバートがまず二発、続いてタミーが二発、ダイアンに弾を撃ち込む。撃たれたダイアンは椅子の上で弾かれたようになるが、そのまま一瞬で何処かに消えてしまう。

Tammy「They're real. That was a real tulpa」

Gordon「Sheriff's station?」

ブラックロッジに現れたダイアン(白髪)が片腕の男に「お前は誰かにつくられた/Someone manufactured you.」と言われ「知ってるわ。クソが/I know. Fuck you.」と答え、the seed(金の玉)に戻る。


@Mr. CがDianeに送った「:-) ALL」は、Dianeの〔封印された記憶〕を解き放つ呪文のようなものだろう。すなわち、白髪のDianeの内面は、25年前の〔白髪のLeland Palmer〕と同じ状態なのだ。そう考えると、Mr. Cの「手先」のように見えたり見えなかったりする理由もわかる。所謂「まとも」なときには、自分を取り戻しているが、BOBに「乗っ取られた」状態では何をしていたかも覚えていないと言っていたLelandと同じ。だから、「:-) ALL」で「自分の身に起きたこと」を「思い出した」Dianeは、突然、「私は保安官事務所にいる」と言い出す。そう、その時、Twin Peaksの保安官事務所に居たのは、視力と言葉を奪われた〔Dianeの「本体」〕であるNaido(裕木奈江)。


▼ロドニー「ダギーはなんだか自信に満ちてるな。昏睡と何か関係があるのか?」

ブラッドリ(指を鳴らして)「わかった、Side effect(副作用だ)」

ジェニー・E「あなたが誰で会ったとしても、感謝してるわ」


▼ミッチェム兄弟のキャデラックの中で

ツインピークスの保安官事務所に行くと知らされて、ミッチェム兄弟が「俺たちはああお言う種類のところでは歓迎されないだ」と躊躇する。それに対してクーパーがいう「気持は100パーセントわかる。しかし、これからはそれも変わるだろう。Friends, that's about to change. I am witness to the fact that hou both have hears of gold.」その発言に対してCandieが嬉しそうに笑いながら「They do. They really do.」と言う。


▼ロードハウスの曲はEdward Louis Severson「out of sand」

その途中で、オードリーとチャーリーがロードハウスにとうとうやって来る。次の曲としてなぜか「Audery's Dance」が司会者から紹介される。客が場所を空け、最初躊躇していたオードリーも曲が流れ始めると、夢遊状態になってオードリーダンスを踊り出す。しかし、終わり頃に、客同士の喧嘩が突然始まって、オードリーがカウンター席にいたチャーリーに「ここから出して!」と囁く。次の瞬間、オードリーは、自分が真っ白な空間で鏡を覗き込んでいることに気づき「what--wha--what」と呻く。でこの回は終わり。この回のエンドロール曲は、逆回転の「Audery's Dance」


▼(2020年10月27日 火曜日)

様々な「目覚め=解放」が起きる回。クーパー(ダギー)、ダイアン、オードリー。そしてある意味でハッチとシャンタルの殺し屋夫婦も。