2020年7月19日 日曜日/晴れ。暑い。
永井荷風は37の時から死ぬ数日前まで、およそ40年以上日記を書き続けた。そう、『断腸亭日乗』である。何年か前にラジオの朗読で、太平洋戦争中の最も「キビシイ」時期の日記を(興味深く)聞いた。長年住んだ家が空襲で焼け落ちた時も、日記の束はカバンに入れて当人が持って逃げたので、後世の人間がそれを読める。なぜ、空襲の大混乱で、何冊もの日記を無事に持ち出せたのかと言うと、空襲が激しくなり始めたころ[他は焼けてもこれだけは]と常に枕元に準備していたからだ。そういう事情も、被災を逃れた日記で知ることができる。
なぜこんなことを書いているのかといえば、今は、持ち出さなくても、とりあえずネット上の複数のサイトに書き連ねておけば、もしかしたら、人類が滅びても「日記」は残るのだなあ、と思ったから。
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今読んでいる『ガリレオ裁判』(田中一郎著)という本(中央図書館の電子書籍)を読んでいて思った。ガリレオ裁判の頃のキリスト教の偉い連中(教皇だの神父だの)のフルマイや資質は、今でいうところの政治家のソレそのまま。つまり、共産主義体制を維持したい連中のソレや、軍国主義を維持したい連中のソレと、まあ、同じもの。違うのは被ってる皮。つまり、声高に主張する表側の顔とは別に、「愚かな人民」の「暴発」を防ぐために、信仰や主義をワキにおいた、というか、信仰や主義に反するような行動や決断や言動を、オモテに見えない限りは、何でもやっている。
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初代『ガンダム』のモビルスーツの特徴は何と言っても「盾」。これに尽きる。
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対立の究極は「無と存在」。それ以外は全て「存在」内部の内輪揉め。
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人間の目的は[生命に依存しない知性]即ち「真の知性」を作り上げること。その完成体は「真の知性」自体に任せればいいので、キッカケとなる「原型(プロトタイプ)」を作り上げること。
「真の知性」の目的は、宇宙消滅の問題を解決すること。宇宙消滅とは、即ち「無と存在」の対立に於ける「無」の勝利のことだからだ。両者の定義から、「真の知性」が「無」の側ではなく「存在」の側なのは言うまでもない。
永久という概念に頼るのは危うい。宇宙消滅の問題を解決する「現実的」方法は「宇宙の再生産」である。宇宙の「死」が不可避なら、次世代の宇宙を「産む」しかない。このような大事業を、不安定な有機物が基盤の人間の知性などに任せられない。