2021年1月7日 木曜日/晴れ
キアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック2』(吹替版)を観た。「2」になると、既にバカバカしさのほうが勝ち始めていて、なんか『ランボー』シリーズを思い出した。今度はイタリアとニューヨークで殺しまくる。
後半、「ホームレスの王」の役でローレンス・フィッシュバーン登場で、『マトリックス』再び!感。フィッシュバーンの役は、かつて、ジョン・ウィックの標的になった男(?)。ジョンに頸動脈を切られたが、首の傷を自分の右手で抑え続けて生き残るか、傷から手を離して背後からジョンを撃って自分も死ぬかの選択肢をジョンに与えられ、結果生き延びた。このエピソードは、ジョンが地下鉄で退けた昔なじみらしい殺し屋の「その後」についての暗示になっている。つまり、あの殺し屋に対して、ジョンは別れ際に「動脈にナイフを刺した。抜けば出血多量で死ぬ」と言ってそのまま立ち去り、刺された殺し屋の方もニヤリと笑う。だから、フィッシュバーンの「ホームレスの王」と同じなのだ。これは、今回最後に「コンチネンタル」から追放処分を受けたジョンの「味方」として、彼が今後の作品に再登場する含みをもたせているのだろう。それで言えば、フィッシュバーンの「組織」も、連絡に伝書鳩を使っているので、「コンチネンタル」とは関係がなさそうだから(「コンチネンタル」のネットワークの連中は携帯電話で通知を受け取っている)、続編では「頼れる組織」として登場しそう。ジョンはこの「ホームレスチーム」に入るのかもしれない(実際、家もなくなったし)。
あと、鏡張りの部屋の中でジョンにやられた、手話で話す殺し屋もやはり、手裏剣のようなもので胸のあたりを刺されているだけなので(頭を銃で撃ち抜かれていないので)、先の二人と同じように生き延びている可能性がある。「また会おう」と手話で言われたジョンが、手話で「もちろんだ」と答えているところからも、とどめを刺していない感じはする(でも、まあ、事切れた演技をしているふうでもある)。続編では、やはり、味方として登場するかも。
あと、鏡張りの部屋での戦いは、明らかにブルース・リーの『燃えよドラゴン』へのオマージュ。と思って今ネットで調べたら、ブルース・リーの前にチャップリンが『サーカス』という映画で同じようなことをやっていると書いてあった(警官との追っかけっ子)。
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久しぶりに『アンナチュラル』第一話を観た。この中で、腐りかけの遺体を、中堂班と三澄班のどちらが解剖するのか?となる場面がある。この時、中堂系は誰にも何も相談しないままさっさと部屋を出て行ってしまう。つまり、「俺はやらない」ということ。この場面を、解剖医ではない我々が見ると、腐って臭い死体の解剖を、横暴な中堂が後輩の三澄ミコトに「押し付けた」ように見えるが、本当はそうではないだろう。解剖件数3000以上の中堂が、その半分の解剖件数しかないミコトに経験を積ませるために「譲った」のである。
そう思ってみると、ミコトが中堂を引き止めて、ジャンケンでもくじ引きでも「公平」なやり方で決めましょうというときの、ミコトの「真意」も変わってくる。つまり、どっちが「押し付けかれるか」ではなく、どっちが「大好きな解剖がやれるか」を公平に決めよう、と言っているのだ。それに対して、中堂は、「解剖件数を一つでも増やすために、遠慮しないでお前(ミコト)がやれ」と答えたのだ。
まあ、知らんけど。
しかしこの第一話には、「PCR検査」とか「コロナウィルス」とか「濃密=濃厚密接」とか「15分で結果が出る検査キット」とか第一感染者に対するネットや世間の攻撃とか、二年後(『アンナチュラル』放送は2018年の1月から3月)に現実の世界を覆い尽くすキーワードや現象がいくつも出てきて、今見ると、なんか、逆に笑えてくる。