『ANON』(2018)をPrime Videoで面白く観た。『ブレードランナー』の正統後継作品は、『2049』ではなく、むしろこの作品だろうと思えるくらい、渋いSF映画だった。今あるスマホの機能が、地球上の全ての人間の目玉か脳に埋め込まれ、ネットに常時接続されたような世界。だから、裸眼で見る世界がARになっていて、目にした建物、商品、そして人についても、即座に「情報」が表示させる。街ですれ違った人の情報(名前、職業、年齢など)も観られるので、つまり、プライバシーというものが存在しない世界。あと、クレジットで単に「The girl」と表記される、データのないanon(匿名)の女子は、『Twin Peaks : The Return』でレベッカ(シェリーとボビーの娘)を演じている女優だと思って、あとで調べたらやっぱりそうだった。名前は、Amanda Syfoed(アマンダ・サイフリッド)。因みに『Twin Peaks : The Return』(2017)が先。
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今日の『ワイドなショー』で紹介されていた「clubhouse」という音声SNSが面白かった。謂わば、即席私設ラジオ局。
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岡田斗司夫ゼミの生配信「サイコパス人生相談」を視聴した。『鬼滅の刃』に「恋」しているアラフォーおばさんからの相談に、トンチンカンな「回答」をしていて面白かった。岡田斗司夫自身も「分からない」と断った上での「珍回答」なので、シャレで聴いておけばいいのだが、まあ、「恋愛感情」というものの「正体=本質」がつかめていれば、相談内容は極まっとうで、実は相談にすらなってない話。
恋愛感情というのは、外部からの刺激に対して内面で発生する、単なる、化学(ばけがく)的プログラムなので、そのプログラムが起動するものなら、恋愛の対象は何でもかまわない。人間でも人形でも仕事でも旅行でもブランドでも新製品でも「二次元」でも何でもいい。相談の主が感じていることは、自分が密かに思いを寄せていた対象が、他の人達ともっと仲良く楽しくやっていることに嫉妬し、がっかりしているのだから、本当の意味での「失恋」なのだ。だから相談者には、「失恋したようですから、また他の恋を探すか、もう恋なんてしないと決心するか、お好きなように」と答えれば済むだけの話。
岡田斗司夫が「恋愛」と考えているものは、実は、人間を含めた動物一般に共通する一連の「繁殖衝動」。だから、岡田斗司夫は「二次元」が相手のものは「恋愛ではない」と言い切ってしまう。「それは繁殖衝動ではない」という言うべきところを、岡田斗司夫は、恋愛感情と繁殖衝動を一緒くたにしているので、あんな「珍回答」になってしまう。
恋愛感情は、繁殖衝動よりも、一段、抽象化が進んでいる。それは、「高度化」と言ってもいいし、「変態度が増した」と言ってもいい。例えば、食べるより作る方に夢中になっている料理人の[食べ物に対するアタマの状態]も、食べ物に対して「変態度が増した」状態。
今日は、無料と限定、各30分ずつで、ちょうど60分で終わった。もう歳なんだから、毎回これくらいにしといたほうがいい。しかし、来週は『ガンダム』解説なので、そうもイカないだろう。まあ、前回で懲りて、語るのは1エピソードだけにしてるみたいだから、前回みたいな3時間超えにはならないだろうけど。