2020年11月29日 日曜日/晴れ
『有吉eeee!』で、Nintendo Switchの『マリオカート/ライブホームサーキット』のプレイの様子を見て思った。
このゲームでは、現実に存在するラジコンカーを操作して遊ぶ。ただし、ラジコンカーにはカメラが搭載されていて、プレイヤーは、このラジコンカーの車載カメラの映像(現実の風景)と、ゲームプログラムが作り出す、いわゆるゲーム画面(アイテムや各種表示)が合成された映像を見ながらレースをする。
『グランツーリスモ』のようなゲームは、「ドライバー」の欲求だけを満たすものだが、もしもこの『マリオカート』のラジコンカーを、現実のレーシングカーに置き換えてしまえば、車を作る人間や、サーキットを作る人間の欲求も満たすことができる。なにしろ、実在する自動車が、実在するコース(地面)の上を走るのだから、自動車に対する創意工夫や、サーキットに対する創意工夫が、今まで通りに生かせる。つまり、走るのは実際の自動車なので、各種チューンナップや修理やメンテナンスは、今までの蓄積が全て生かせるし、新しい挑戦をもできる。『グランツーリスモ』がどんなに進化したところで、「車いじり」や「コース環境の整備」と言う点に関しては、単にプログラムのデータ/パラメータを操作するだけのことだったが、『実車版マリオカート』では、ちゃんと本当に、「車いじり」や「コースいじり」ができる。
これは、新しい自動車レースのカタチになりうる。自動車レースにとっての最大の足かせは「安全性の確保」で、その安全性の対象として最も大きな比重(殆ど全てに比重)を占めているのは、ドライバーの肉体(と生命)である。ドライバーの安全性を確保するために、自動車レースには様々な制約を課されているし、課してもいる。もしも、高速で走り回っている自動車にドライバーが乗りこんでいないなら、自動車レースはもっともっと大胆ことができるはずである。「野蛮」で「危険」なコースも、人間が乗り込んでいない自動車が走り回るのなら、そこまで「問題視」されることもないだろう。壁に激突して大爆発、崖から海に転落、多重クラッシュで大炎上、そういう場面も、誰も死なないのであれば、面白い見世物になる。なにより、スピードよりも人命を優先せざるを得ないという、自動車レース界の大ジレンマを綺麗さっぱり取り除いてくれる。
ちょっとスゴいと思ったね。