2020年11月22日日曜日

『有吉eeeee』で、少し前から、実際に11人以上の人間を集めてサッカーゲームをやっている。

 

2020年11月22日 日曜日/晴れのち雨


『有吉eeeee』で、少し前から、実際に11人以上の人間(芸人や元サッカー選手)を集めてサッカーゲームをやっている。これは案外、テレビでなくてはできない企画。まず、11人以上の人間を集めることが大変なのだが、それ以外にも、11人分のゲーム装置(ゲーム機、ゲームソフト、モニター)を用意しなけれならないし、11人それぞれに向けられた専用の撮影用カメラも要る。さらに、全体の様子を取るカメラも要る。最後に、そうやって一時間なり二時間なりのプレイを撮影した膨大な量の動画を編集する労力がいる。このくらいの規模になると、テレビではまあ「フツウ」でも、その辺のYouTuberにはちょっとムリな企画。


しかも、これが、テレビ企画としては、実はなかなかの「めっけもん」。というのも、実際に番組を見ればわかるが、この企画の成否は、実は、サッカーゲームのプレイ自体ではなく、プレイの「外側」で繰り広げられる11人のプレイヤー(出演者)たちの「掛け合い」にかかっているからだ。つまり、この企画の出演者たちに本当に求められているのは、「ゲームの腕前」ではなく「テレビタレントとしての腕前」。その意味で、テレビタレント(とくに芸人と呼ばれる者たち)にとっては、実は、かなり「手強い」、だから逆に「やりがいのあるオモシロイ企画」のはずなのだ。これを、制作者側から言えば、テレビタレントしての「能力」の高い出演者を揃えれば、ゲームに興味がない視聴者にとってもいくらでも面白くできてしまえる企画だということ。


『有吉eeee』が「ゲーム番組」ではないことは、製作者側も視聴者もとっくの昔に分かっていたことだが、この、実際に11人をスタジオに集めて、その11人が同時に一つゲームに参加し、「スポーツ」ならではの突発的な事態に対してタレントならではのリアクションで「見せ場」を作ることができ、しかも、ビデオゲームなので、演者たちが怪我や事故に巻き込まれる心配もないこの企画は、もはや、これ自体で一つの独立したジャンルのような気さえする。つまり、MCの要らないひな壇番組。


話題や状況などの「フリ」を事前に用意しなくても、今プレイしているゲームの「進行/展開」自体が、そうした「フリ」を提供してくれる上に、その「進行/展開」に対して、逆に出演者からも或る程度影響を与えることもできる点も優れている。