øo: 科学の「前身」であり、いまや「エセ科学」の別名でもある「神学」の本質であり動力でもあるのが、この「偽の難解さ」である。
逆説的だが、「真の難解さ」は、生命現象という媒体が人間の知性現象に及ぼす制限によって現れる「幻の難解さ」だが、「偽の難解さ」は人間の知性現象自身が生み出す「現実の難解さ」である。
「真の難解さ」は、原理的には「解ける」難解さである。一方で「偽の難解さ」は、原理的にも「解けない」。なぜなら、「偽の難解さ」は、或る特定の人間個体の知性現象が生み出した「虚構」だからだ。「偽の難解さ」は、合理性ではなく、恣意性のよって組み立てられているために、合理的に厳密になればなるほど、返って「難解」になる。「偽の難解さ」を解くには、どこかに不合理/恣意性を挟み込まなくてはならない。