2020年9月8日 火曜日/晴。蒸し暑い
Twin Peaks Return:(10) Laura is the one」メモ:
リチャードがシルビア(孫と祖母の関係)の家にカネを「せびり(実質、強盗だけど)」に来たあとで、シルビアがベンにそのことを電話する。そのときの二人のやりとりで、ベンとシルビアがすでに離婚していることがわかる。ベン「お前(シルビア)には、これ以上のカネは送らない(send)」と言っているから。もしも、夫婦で一緒に暮らしているなら、sendではなく、渡す(give)とかを使うはず。なにより、ベンのその「言葉」に対して、シルビアが「じゃあ、今すぐ私の弁護士に電話する」と答えているのが決定的。シルビアとの電話を切った直後に、ベンが秘書のべバリーを夕食に誘うのは、だから、ベンが前妻(シルビア)に対する義理を捨てた(シルビアを本当に意味で見限った)ということだろう。
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David Graeber『負債論』メモ:
資本主義の起源の物語は、市場の非人格的な力が、伝統的共同体を段階的に解体する物語ではない――むしろ、信用の経済がどのようにして利益の経済に転換されたかという物語である。――国家権力の侵入によって、モラルのネットワークが変容されていく物語なのである。エリザベスあるいはスチュアート朝時代のイングランドの村人たちは、――司法制度に訴えることを好まなかった――主たる理由は、法律が甚だしく過酷だったからである。
[p491]
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万人の万人忍耐する戦争に――
[p494]
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@以上の抜き書きを、電子化しようとして、当人の名前の綴りを検索してみたら、なんと、ついこの間(2020年9月2日)死んでいた! コロナ?
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”AP通信などによると、人類学者で英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授のデビッド・グレーバーさんが2日、伊ベネチアの病院で死去した。59歳だった。”(毎日新聞)
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√ 分からないのは訛りのせいだ
島に上陸した。
船は帰った。
老人が網の手入れをしている。
百年も海を彷徨いたような顔の皮膚。
呼びかけて訊いてみた。
地元の老漁師は網の手入れの手を止めた。
島の奥の斜め上を指差す。
島の山の頂に白い建物。
歯を見せて頷く。
それから何かを教えてくれる。
しかし分からない。
分からないのは訛りのせいだ。
老漁師の瞳の黒は皆薄い。