2020年9月4日 金曜日/曇り。窓際が風で涼しいが、全体としてはやや蒸し暑い。
岡田斗司夫ゼミ「アリエッティとドールハウス」をオモシロく「聴講」した。このゼミは、タイトルで「損」をしている。内容は、[有史以来の、人類にとっての、世界把握のツールとしての「おもちゃ」]とでもいうべきものだから、「ドールハウスの真相」とかなんとかそういうふうなのが好かった。アリエッティはほぼ関係ないし、言ってしまえばドールハウスも「事例の一つ」にすぎない。逆に、アリエッティとかドールハウスの方に興味がある人間を、知性の深みに引きずり込む「罠」としての、敢えての、「アリエッティとドールハウス」というゼミのタイトルなのか?
人間が世界を把握するためのツールとしての「おもちゃ」。たとえば、今もある精密な帆船模型は、もともとは、出資者に対するプレゼンやシミュレータとして使われた。精密さはそのためにある。模型を見れば、実際にどれくらいの乗組員が必要か、どれだけの樽(貨物/商品)が積めるかなどが、一目瞭然だったからだ。精密な帆船模型は、さらにオーナメント(ornament:所有者であることを誇示する飾り。フェラーリの車のキーや、ジャグアーの鼻ツラに乗っている大型ネコ科動物を模ったの飾りなどがそれにあたる)として使われた。家に精密な帆船模型が飾ってあれば、今なら単なる模型好きを示すに過ぎないが、「当時」は、この家の主人が実際に「この船」に投資していることを表していた。模型好きだからではない。
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『Room to Dream』メモ:
Twin Peaksの第2シーズンでLynchが脚本を書いたのは、第2シーズンの最初のエピソード(第8章「I've herad about youの老ルームサービス=巨人)と最後のエピソード(第29章)。あと二つのエピソードは監督だけした(第9章/ブリッグス少佐がクーパーを訪ねて、森からの謎のメッセージ「cooper cooper」を伝えたり、ジェームズが変な歌「Just you」を歌ったりする)と、第14章(Maderineが殺される。It is happening again./I'm so sorry.)。
あと、「Lynch's Twin Peaks」に苛立っていたMark Frostが、「Frost's Twin Peaks」を作ろうとしたのが、第2シーズンだったらしい。